elmの空中庭園:勉強したことの備忘録

札幌在住の大学生です。4月から本格的に数学の勉強をすることになり、せっかくならとメモ的に日記をつけることにしました。(興味:微分方程式、機械学習、自動運転)

離散フーリエ変換の定義の話1

日記を付けるの忘れていました。。。まじめに勉強しなければ。。。

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今日は、離散フーリエ変換について勉強したことを書きます。(^ω^)」

偏微分方程式(例えばL^2空間の熱方程式/シュレディンガー方程式)を解く際に便利なツールがフーリエ変換です。作法は様々ですが、僕はこの定義でやっています:

 {\bf 定義(フーリエ変換)}複素数関数fに対して

 \[{\cal F}[f](x)=\int_{-\infty}^{\infty}f(y)e^{-ixy}dy,\ x\in\mathbb{R}.\]

\[{\cal F}^{-1}[f](x)=\frac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^{\infty}f(y)e^{ixy}dy,x\in\mathbb{R}\]

 fの設定は今日は脇に置いておきます。(本来無視してわいけませんが。。)

で、本題なんですが制御工学理論においては信号と呼ばれる離散点列(例えば\{f(k)|k\in\mathbb{Z}\})に対してフーリエ変換を行う必要があります。(※必要があるというのも語弊がありますが。詳細はおいおい書きます。)

まずx\in\mathbb{R}に対して、

\begin{eqnarray}
f(x):=\left\{
\begin{array}{l}
  f(k), k\in\mathbb{Z} \\
0,\ oterwise\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
と定義します。これは離散信号の連続信号への拡張になっています。しかし、これを積分しても値は0にしかならない為、フーリエ変換の定義としては不適切です。

では、なんで値が0になってしまうかというと、殆どいたるところ0だからです。(イメージとしては積分は長方形による近似になるので、高さy(k)×横0=0なので0です。) そこで、関数fの値を以下の通り拡張します。

<準備>

任意のk\in\mathbb{Z}に対して、

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
  I_{k}:=[k-\frac{1}{2},k+\frac{1}{2}),\ k\geq 1\\
 J_{k}:=(k-\frac{1}{2},k+\frac{1}{2}],\ k\leq 0\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

<fの拡張>

ここで、任意のx\in\mathbb{R}に対してあるm\in\mathbb{Z}が一意に存在し、xは区間I_{m}またはJ_{m}に属することに注意すると。F(x):=f(m)としてfの値を拡張することができる。

これを先ほどのフーリエ変換の式に代入します。 

 

\begin{align}
{\cal F}[F](x)&= \int_{-\infty}^{\infty}F(y)e^{-ixy}dy\\
&= \int_{\cup_{k\in\mathbb{Z}}J_{k}\cup I_{k}}F(y)e^{-ixy}dy\\&=\sum_{k\leq 0}\int_{J_{k}}F(y)e^{-ixy}dy+\sum_{k\geq 1}\int_{I_{k}}F(y)e^{-iyx}dy\\&=\sum_{k\leq 0}f(k)e^{-ikx}+\sum_{k\geq 1}f(k)e^{-ikx}\\&=\sum_{k\in\mathbb{Z}}f(k)e^{-ikx}.
\end{align}

これで、離散点列に対してもフーリエ変換を定義することが出来そうです。

{\bf 定義(離散時間フーリエ変換)}

離散点列 \{f(k)\}_{k\in\mathbb{Z}}の離散時間フーリエ変換を以下で定義する。

 \[DTFT[f](x):=\sum_{k\in\mathbb{Z}}f(k)e^{-ikx}.\]

x\in\mathbb{R}.

 ここでDTFTとはDiscreteTimeFourierTransformの略です。

とまあこんな感じです。ざっくり書きすぎたなあ。。。

今日はこんなところで

 

 

 

<参考文献>

新井仁之「新・フーリエ解析関数解析学」 

うぃき 「Discrete Fourier transform - Wikipedia